北京の観光スポット
后海のそばには、
宋慶齢故居など見どころたくさん。
そして、北京に来たばかりのころ、后海付近を散策していると、ある寺院に出くわした。
今頃になって調べてみると、なかなか激動の時代を超えて来た寺院だということが分かったので、覚え書きがてら。
それにしても、このまるで観光客のいない胡同は、ただ歩くだけでなにかに遭遇したような興奮がある。
このひとつ隣の道は、もう観光客がたくさん・人がたくさんの后海。
風光明媚な湖が広がっている。
それなのに、一歩入ると、こんな沖縄の離島の通りのようなのどかで独特の生活感の染み付いた路地。
そして、この通りの先に、その寺はあった。
入り口には、中国のどんな寺でもそうであるように、物乞いがいる。
物乞いというか、亀を売ってるようだったけど、物乞いにしか見えなかった。
どうやら、ここ。
信者じゃない観光客が観光目的で入るのは禁止だったようで。
西洋人なんかは見るからに仏教徒でもないと思われるのか、入るのを止められたりするらしいけど。
わたしたち、たいして気にも止めず、ずけずけ入ってしまった。
中は、読経の声。
樽の中に、魚が入れられていて、そして市民と住職が読経。
放生供養。か、そんな部類。
部屋の奥にまつられている仏像。
なんだか顔が、日本でみるのと少し違う。
愉快でおおおらか、と表現すると怒られそうだけど。
この何てことのない、小さなお寺。
ここは、現在は北京の仏教委員会の本部が置かれている。
また、現在の国家図書館は、その昔ここをその拠点としていたとか。
そして、ラストエンペラー溥儀に使えた最後の宦官孫耀庭(そん・ようてい)が晩年を送ったのもここ。
「宦官」と聞くと、世界史で学んだことを思い出しませんか。
貧しくてそれゆえに、7才で、自分で自分の男性器を切り落とし宦官になったこの男性はほんの最近まで生きておられたようで、色々な迫害を受けながらも、最終的には「最後の宦官」としてその重要性を認められ、国から厚い保護を受けたとか。
世界史では習わないことがたくさん。
北京は何気なしに歩いたり、見たりしているものが、いちいち色々な歴史を持っているから、都度都度勉強する必要があるようで。
それにしても、暑い。
北京の秋はまだか。
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广化寺
北京市 西城区 後海鴉児胡同 31号
7:00-16:30
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