2011年09月の記事 | シャングリラムービーの箱の中で   from 北京

     
      

旅の本だけのbook cafe @早稲田

 

 ひょんなことで知った、ブックカフェ。
 旅の本しかないブックカフェです。
 早稲田正門近くになるのですが、わたしが学生だった頃はなかったお店です。
 もちろんチャイナ関連の書籍や雑誌や写真集もたくさんありました。

 中でも、この写真集はとても生々しかった。


『混沌を往く』〜北京・上海・広州・重慶
 小川節男 著

たとえば少し前の北京の風景だったり、上海の街角だったりするのですが、観光ブックには決して掲載されない「China」があります。
決して美しくない、生々しい人間と建物。
匂ってきそうな写真集なのです。



TRAVEL BOOKS & COFFEE  CAT'S CRADLE


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『村上春樹の読み方〜中国語圏における村上春樹

 世田谷文学館にて、連続講座『村上春樹の読みかた』に参加。

今回は、
「中国語圏における村上春樹」というテーマ。

まさに、自分の興味が重なったような題材だったので、これも何かの運命と思い時間ぎりぎりになりながら駆け込みました。興味深かった。

村上ファンとして、小説やエッセイのほぼすべてを読んできましたが、そこにあらわれる「中国」についてはこれまでまるで素通りしてきてしまったので、今一度、再読した方がよいかと、そう思っています。













<覚え書き>
◇ 上海・北京にて村上春樹が広まったのは1998年(政治運動に疲れた中国の若者と、村上の描く資本主義で孤独を感じる若者に共感した)

◇ 世界ではじめてハルキムラカミを翻訳したのは台湾

◇ 台湾では村上春樹人気はすごく、カフェ「ノルウェイの森」や パブ「海辺のカフカ」などがある

◇ 台湾では「1Q84」だけ売る専売書店ができた

◇ 中国では当初「資本主義の悪の部分としての村上作品」として読まれ、社会主義の正当性を高めるために活用された

◇ 中国では「ノルウェイの森」は発売当時、ポルノ小説として紹介され、表紙の装丁は着物のはだけた日本女性のイラストだった

◇ 1991年〜1995年、村上小説は中国で発禁となる

◇ 『上海ベイビー』の作者、ウェイ・ホイは村上作品に影響をうけた‘村上チルドレン’である

◇ 『中国行きのスロウボート』の冒頭「完璧な文章などといったものは存在しない。完璧な孤独が存在しないようにね」は、村上が大きく影響をうけた魯迅の『野草』の一説を真似ている「絶望の虚妄なることは、まさに希望と相同じい」

◇ エルサレムスピーチでの「高い壁と卵」は、その3年前に中国にて同内容のコメントを発表している(チベット暴動、地方労働者の都市部への出稼ぎ問題などに関して)

◇ 先生を裏切った記憶・・・『中国行きのスロウボート』と魯迅『藤野先生』

◇ 村上春樹「父は戦争中に徴兵されて中国大陸に行きました。中国は僕にとって実在するものではありませんが、しかしとても大事な“記号”なのです

◇ 
『1Q84』の“ふかえり”の父は、毛沢東の革命思想を崇拝

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などなど。
わたしは、自称 deepな村上ファンですが、彼の中に流れる「中国」をもっと知りたいと思うのです。


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中国を舞台にした映画『北京ヴァイオリン』


『北京ヴァイオリン』(2002年)

中国北部の田舎町。13歳のチュンは父と2人暮らし。チュンは、彼が幼いころに亡くした母の形見であるヴァイオリンを上手に弾き、周囲で評判になっていた。父リウはそんな息子に質の高いヴァイオリンの教育を受けさせ一流のヴァイオリニストにしてあげようと、必死に働き金を貯めていた。ある日、2人はコンクール出場のため北京へとやって来る。惜しくも5位に終わったチュンだったが、彼の才能を確信したリウは、有名な先生の個人授業を受けさせるため北京に移り住むことにする。そして、音楽教師チアンの情熱的な指導の下、チュンも練習に励むのだったが…。

 
 


中国とヴァイオリンというイメージがあまりうまく結びつかなかったのだけれど、この映画を観てひとつ気付いたこと。

 北京の風景にはヴァイオリンが似合う。

これはヴァイオリン弾きの主役のシンデレラストーリーではない。
むしろ、それをとりまく人々のストーリー。
たとえば父親、たとえば近所の女、たとえば音楽の先生。



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続:中国を舞台にした映画

中国を舞台にしたどの映画にも共通しているのが、基本的にいつも大きなものの支配下にあるということ。もちろん、それは政権であり国である。そして、その下に、貧困による不自由 や 自己実現の欲求をうまくみたせない不満 などが渦巻く。  
日本で作られる最近の映画のような、「当たり前に流れる自由な空気」はまるでない。いつでもなにかに抑圧されているのがこれらの映画に描かれている「中国」である。ただ、人々は極めて直接的な表現を好み、極めて感情をストレートに出し、素直である。
どんなものをとっても、日本とはまるで違う。

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『北京の自転車』

第51回ベルリン国際映画祭で審査員特別賞を受賞したヒューマンドラマ。経済成長が急激に加速し、都市が変ぼうしていく一方、都市部と農村の貧富の格差が社会問題となった中国・北京を舞台に、1台の自転車を介して出会った17歳の少年二人の青春模様が描かれる。主人公の少年二人を演じたツイ・リンとリー・ピンがベルリン映画祭で新人男優賞を受賞。中国で生きる少年たちのリアルな姿から目が離せない。

ストーリー:村から北京に出稼ぎに来て、自転車宅配便の仕事をすることにした17歳の少年グイ(ツイ・リン)。毎日懸命に働くグイだったが、ある日何者かに自転車を盗まれてしまう。一方、仲間たちの中で一人だけ自転車を持っていない高校生ジェン(リー・ピン)は親に内緒で中古自転車を購入。それは、グイが盗まれた自転車だった。

 http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2010/06/post-103.php



『小さな赤い花』 

  http://www.alcine-terran.com/akaihana/

4才の少年チアンが預けられた、北京にある全寮制の幼稚園。そこは「みんな同じであること」が賞賛される社会だった。最初は周りに迎合する努力をする彼だったが、次第に園内の教育方針に疑問を抱き、勇敢に一人で反抗的な行動に出る。しかし、校長先生の提案で次第に孤立していくチアン。早く大人になりたい、そうすれば自由になれるからと信じるチアンが、逃げ出した幼稚園の外で見たものは―――。

 

『小さな村の小さなダンサー』 

http://chiisanadancer.com/

中国の小さな村に生まれ、毛沢東の文化政策による英才教育でバレエの道を志した少年、リー・ツンシン。成長後はアメリカに渡り、そのたぐい稀な才能を認められる。ダンサーとしてさらなる成功を望む彼は自由な新天地に大きな夢を託すが、それは彼と家族にとって新しい人生の始まりだった……。


『胡同のひまわり』

 http://www.youtube.com/watch?v=COQGhBvuh9c

北京の昔ながらの横丁“胡同“を舞台に、急速に変化する現代中国の3つの時代を見つめ、ある一家の歩みを描いた温かい感動作。旧世代の父親と新世代の息子の、世代間の対立を中心に、葛藤と愛情、親子の絆が瑞々しい映像で綴られる。



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中国を舞台にした映画


写真は女優 片桐はいりさんの書籍ですが、このタイトルが何とも素敵。

もぎりよ 今夜も
ありがとう

そうです。
映画の本でございます。

ということで、中国(主に北京)を舞台にした映画DVDを積極的に観ています。
どれも良いので、一度わたしが観て、そして結局夫と一緒に二回観るという流れ。
それくらい、どれも壮大な内容です。
これまで邦画好きで、たまにヨーロッパ系映画、という感じで、韓流や中国映画などは「まったく」興味がなかったのですが、観てみるものです。
ただ、韓流のようなああいうチャラい感じはあまりないのが中国映画。どれも「政治」「政権」「支配」というものがつきまといますから。



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活字浸け

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中国で暮らすことになるけれど、いかに自分が隣国のことを知らないのかということを日々思い知らされています。

日本人の多くは中国に対していいイメージがないと思うけれど、マスコミから流れてくる情報以外に何か自ら勉強した上で「中国は嫌い」と言っている人が何%いるのでしょう。

わたし自身、中国について、大して知っていないのに毛嫌いしているな、と思い、中国について勉強することにしました。

近頃は、近所の図書館にほぼ毎日通い、中国関連の書籍を読み漁っています。
知らないことがたくさん。
隣国のことなのだからよく勉強して、短期間ではあるけれど、たくさんいろんなことを感じれる北京暮らしにしたいものです。


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<覚え書き>
★はかなりよかった。

★『中国人は本当にそんなに日本人が嫌いなのか』 加藤 嘉一
『モンゴル100の素顔』 東京農業大学出版会
『北京/上海小さな街物語』 原口純子
『北京閑話』 白井啓介
★『日本と中国は理解しあえない』 日下公人/石平
『文房具と旅をしよう』 寺村栄次
『知らないと恥をかく世界の大問題』 池上彰
★『天空列車〜青蔵鉄道でいくチベット』 長岡洋幸
★★『外交官が見た「中国人の対日観」』 道上尚史
『舞い上がる龍 中国』 金夏中
『中国感動旅風景53選』 今公三
『踊る中国人』 原口純子
『ルポ 日本の縮図に住んでみる』 日本経済新聞社
『ワールドミステリーツアー(アジア)』
『ぶらっと楼蘭〜シルクロードの旅』 都丸幸泰
★『まだ見ぬ中国』 稲越功一
『中国大陸建築紀行(建築巡礼)』
『日中の興亡』 青山繁晴
『戦争の世紀を超えて』 森達也/姜尚中
『心をゆさぶる平和へのメッセージ〜村上春樹はなぜエルサレム賞を受賞したのか〜』
『中国史の風景』 山口直樹
『世界の朝時間』
『千年の都 北京〜樹と石と水の物語』

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作者:M
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2011年冬より半年ほど上海在住。
2012年7月より北京暮らしスタート
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